医療事務の資格試験の難易度と取得方法とは?

医療事務の資格試験の難易度と資格の取得方法を詳しくお伝えします。

医療事務の資格試験の難易度とその取得方法とは?

 

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 【最終更新日:2018年4月15日】

 

「医療事務の資格を取って、就職したい!でも、医療事務の資格はたくさんありすぎて何を取ればいいか分からない!」とお悩みではないですか?

 

確かに医療事務にはたくさんの資格があって、難易度もそれぞれ異なります。

 

そこで今回は、医療事務の資格試験の難易度やどうやって資格を取得すべきかなどを詳しくご紹介します。

 

 

医療事務の資格とは?

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医療事務の資格は医師や看護師のような国家資格はなく、民間の団体が認定する民間資格です。

 

ですから、資格を取得しなければ仕事に就くことができないという訳ではありません。

 

ですが、医療事務は専門的な知識やスキルが要求される仕事です。

 

これから医療事務の職に就きたいと考える方であれば、資格取得に向けた勉強をすることはとても意味のあることになります。

 

医療事務には様々な民間団体の資格試験がありますが、おおむね2~6ヵ月間の勉強で合格を目指せるものが大半です。

 

そして合格率はおおむね50~60%と比較的高くなっています。

 

ですが、中には合格率が30%前後と難関の資格もあります。

 

しっかりとした学習計画を立て、地道に学習していけば確実に取得することができますので、「医療事務って難しそう。」と身構える必要はありません。

 

医療事務の試験について

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医療事務の資格試験は暗記力を問われる試験ではありません

 

ほとんどの資格試験では試験会場にテキストやノートなどの持ち込みが許可されています。

 

そればかりか自宅で受験できる試験まであります。

 

実施頻度も毎月、隔月、年2~3回といった多くの受験機会が設けられている試験が多いです。

 

中には講座を修了して随時受験できる試験まであります。

 

国家試験のように年1回の一発勝負といった緊張感はありませんので、気軽に肩の力を抜いてチャレンジするのが良いでしょう。

 

代表的な医療事務の資格試験の難易度は?

 

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医療事務の資格試験は数多くありますが、中でも以下の3つは最も知名度が高く、信頼度も高い資格です。

 

● 医療事務技能審査試験(医科)

 

● 診療報酬請求事務能力認定試験 (医科)

 

● 医療事務管理士 技能認定試験(医科)

 

もし、「どの資格試験を受けたらいいんだろう?」と迷ったら、3つのうちいずれかを受ければ間違いないでしょう。

 

それでは、各資格試験の難易度や出題範囲、出題内容などの詳細を見ていきましょう。

   

医療事務技能審査試験(医科)

 

約40年の歴史があり、総受験者数152万人、合格者数約85万人以上、年間受験者約2万人という大規模な資格試験です(日本で一番受験者が多い医療事務試験のようです)。

 

試験合格者には「メディカルクラーク」の称号が与えられます。

 

合格率 67.2%(2014年度)と決して難易度が高い試験ではありません。

 

受験資格が無いので独学でもニチイ学館などの講座を受講する方法でも資格取得を目指せます。

 

なお、資格試験の概要は以下の通りです。

 

資格概要

医療事務業務に従事する者の知識および技能の程度を審査し、証明することにより、医療事務職の職業能力の向上と、社会的経済地位の向上に資することを目的として実施。

受験資格

特になし

試験日程

年12回 (毎月)

試験内容

■ 学科・・・・・医療事務知識 筆記(択一式) 25問 60分

■ 実技 I ・・・・・患者接遇 筆記(記述式) 2問 50分

■ 実技 II ・・・・・診療報酬請求事務 明細書点検 4問 70分

出題範囲

■ 学科

1.医療保険制度
2.高齢者医療制度
3.公費負担医療制度
4.介護保険制度
5.医事法規一般
6.医事業務
7.下記のいずれか一つの科目を選択
・診療報酬請求業務
・医学一般
・薬学一般
・診療録

■ 実技Ⅰ

コミュニケーション(医事課患者応対)

■ 実技Ⅱ

診療報酬請求事務・・・医科診療報酬明細書(出来高請求)の点検

時間

3時間

試験場所

都道府県内の公共施設等

受験料

7,500円(税込)

合格発表

試験日から約1ヵ月後に郵送で通知。

実技試験 I ・II および学科試験の各々の得点率が70%以上で合格

主催団体

一般財団法人日本医療教育財団

〒101-0064 東京都千代田区猿楽町 2-2-10

TEL:03-3294-6624(代) FAX:03-3294-1787

http://www.jme.or.jp/

備考 試験はテキストの持ち込み自由。

  

iryojimu.hatenablog.com

 

診療報酬請求事務能力認定試験(医科)

 

数ある医療事務の資格試験の中で最も難易度が高い試験で過去46回行われた試験の平均合格率は、29.9%です。

 

診療報酬請求事務を正しく行うのために必要な能力が備わっているかが厳しく判定されます。

 

合格率の低さから資格取得者(合格者)を高く評価する医療機関もあり、資格手当を支給している所もあると言います。

 

受験資格ありませんので、独学で合格を目指すことも可能です(テキスト&問題集が市販されています)。

 

独学では難しいと感じる方は、対応講座が開講されているヒューマンアカデミー(通学 or 通信)などで学習すると良いでしょう。

 

診療報酬請求事務能力認定試験(医科)の勉強法は以下の記事でもご紹介しておりますので、よろしければご覧ください。

 

iryojimu.hatenablog.com

 

試験の概要は以下の通りです。

 

資格概要

診療報酬請求事務に従事する者の資質の向上を図るため、 公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する 全国一斉統一試験。

受験資格

特になし

試験日程

毎年2回 (7月と12月の日曜日または祝日)

試験内容

■ 学科試験・・・・・計20問(5者択一式)

■ 実技試験・・・・・診療録(カルテ)から手書き方式で診療報酬明細書(レセプト)を作成する試験。

※ 外来から1問と入院から1問の計2問

出題範囲

医療保険制度等についての知識
② 公費負担医療制度についての知識
③ 保険医療機関等についての知識
④ 療養担当規則等についての知識
⑤ 診療報酬等についての知識
⑥ 薬価基準、材料価格基準についての知識
⑦ 診療報酬請求事務についての知識とその実技
⑧ 医療用語についての知識
⑨ 医学の基礎知識
⑩ 薬学の基礎知識
⑪ 医療関係法規についての知識
介護保険制度についての知識

時間

3時間

試験場所

札幌市、仙台市さいたま市千葉市、東京都、横浜市新潟市金沢市静岡市名古屋市大阪府岡山市広島市高松市、福岡市、熊本市那覇市

受験料

7,500円(税込)

合格発表

試験月の翌々月末までに、全受験者に文書で通知。

主催団体

公益財団法人 日本医療保険事務協会

〒101-0047 東京都千代田区内神田 2-5-3 児谷ビル

電話 03(3252)3811(代) FAX 03(3252)2233

http://www.shaho.co.jp/iryojimu/

備考 試験会場への診療報酬点数表、その他の資料の持ち込みは自由。

 

診療報酬請求事務能力認定試験(医科)についてさらに詳しく 

 

医療事務管理士 技能認定試験(医科)

 

日本ではじめて医療事務の資格を認定した試験機関「技能認定振興協会 (JSMA)」(約50年の歴史)が実施する資格試験です。

 

合格者には「医療事務管理」の称号が与えられ、認定合格証が交付されます。

 

合格率は50%程度です。

 

奇数月に会場で試験が行われますが、「急いで資格を取得したい!」という方は自宅で受験できるIBT試験もあります。

 

IBT試験は、インターネットに繋がったパソコンがあればいつでもどこでも試験を受けることができる試験です。

 

こちらの試験も受験資格はありませんので、一通り学習を終えたら、思い切ってIBT試験を受けてみても良いでしょう。

 

受験資格がありませんので独学でもソラスト資格スクール大栄などの講座を受講する方法でも資格取得を目指せます。

 

資格試験の概要は以下の通りです。

 

資格概要

医療事務従事者に必要とされる医療保険制度の知識、治療費の計算や診療報酬明細書の作成などの技能を有するスペシャリストと認められる資格。

受験資格

特になし

試験日程

会場受験・・・・・年6回 (奇数月の第 4 土曜日)

自宅受験・・・・・随時

試験内容

■ 学科試験・・・筆記(択一式) 10 問

■ 実技試験・・・レセプト点検問題 (1問)、レセプト作成 (外来・入院 各1問)

試験内容

■ 学科試験

① 法規・・・・・医療保険制度・後期高齢者医療制度・公費負担医療制度等についての知識

② 保健請求事務・・・・・診療報酬点数の算定方法・診療報酬明細書の作成・医療用語等についての知識

③ 医学一般・・・・・各臓器の組織・構造・生理機能 ・傷病の種類等についての知識

■ 実技試験

療報酬明細書を作成するために必要な知識

時間

■ 学科試験・・・1時間

■ 実技試験・・・3時間

試験場所

■ 会場受験・・・・・札幌・旭川・仙台・福島・盛岡・東京・横浜・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城・新潟・長野・名古屋・三重・静岡・浜松・金沢・大阪・奈良・神戸・京都・ 福知山・岡山・広島・松山・高知・福岡・宮崎・熊本・沖縄

■ 自宅

受験料

7,500円(税込)

合格発表

試験実施後1 ヵ月以内に文書にて通知。

合格基準

■ 学科試験・・・・・70点以上

■ 実技試験・・・・・点検・各作成問題ごとに50%以上の得点をし、且つ、3問の合計で70%以上

※ 実技・学科ともに合格基準に達した場合に合格。

※ 合格率・・・・・約 50 %

主催団体

㈱技能認定振興協会 (JSMA)

〒101-8638

東京都千代田区神田佐久間町3-2 ソラスト秋葉原ビル2階

電話 03-3864-3559 FAX 03-3864-5112

http://www.ginou.co.jp/

備考

電卓、点数表、テキスト、ノートなどの試験会場への持込は可能。

 

iryojimu.hatenablog.com

 

 

その他の医療事務の資格試験の難易度

 

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ここまで医療事務の三大資格とも言うべき「医療事務技能審査試験(医科)」、「診療報酬請求事務能力認定試験 (医科)」、「医療事務管理士 技能認定試験(医科)」について見てきました。

 

ですが、医療事務の資格試験には他にもいくつかあります。

 

そこで、3大医療事務試験以外の資格試験の難易度についてもご紹介いたします。 

 

医療事務認定実務者(R)試験

 

全国医療福祉教育協会が認定する資格(2016年に新設)で初めて医療事務に従事する方向けの資格です。

 

試験では接遇・マナーなど、受付業務に必要な知識を重点的に問われます。

 

試験の平均合格率は60~80%ですから、資格取得の難易度は低いと言えるでしょう。

 

医療事務認定実務者(R)試験についてさらに詳しく

  

医療事務検定試験

 

日本医療事務協会が実施する資格試験で平均合格率 88.1 %平成28年度)と難易度は低めです。

 

医療事務の基本的な算定知識があれば誰でも受験可能ですが、受験前に課題の提出が必要です。

 

医療保険制度、患者対応、医療費計算、請求事務の知識など医療事務全般の基本的知識と技術が審査されます。

 

医療事務検定試験についてさらに詳しく

  

医科2級医療事務実務能力認定試験

 

全国医療福祉教育協会が実施する資格試験でどなたでも受験できます(受験資格なし)。

 

レセプト作成技能を含む診療報酬に関する知識、医療関連法規に関する知識を客観的に判定する試験です。

  

合格率が60~80%なので、難易度は低いと言えます。

 

医科2級医療事務実務能力認定試験についてさらに詳しく

 

医療情報実務能力検定試験

 

医療福祉情報実務能力協会が認定する教育機関で学習した方が受験できます。

 

 試験に合格すると、「医療事務実務士」の称号が与えられます(2級と1級があります)。

 

平均合格率は、2級が61.7%、1級が54.2%なので、難易度は高くはありません。

 

医療情報実務能力検定試験についてさらに詳しく

 

医療事務(医科)能力検定試験

 

一般財団法人 日本ビジネス技能検定協会が主催する検定試験で3級から1級まであります。受験資格はありません。

 

病院等で必要とされている専門知識(医療保険の仕組み、治療費の計算方法、診療報酬請求の仕組み etc.)を有していることを証明する資格です。

 

合格率は3級から1級とも80~90%なので、難易度は低いです。

 

医療事務(医科)能力検定試験についてさらに詳しく

  

医療事務の資格を取得する方法

 

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医療事務の資格試験の難易度が分かったところで次はどうやって資格を取得するかです。

 

医療事務の資格を取得するには主に3つの方法があります。

  

① 通学講座に通う

  

医療事務の資格取得をサポートする通学講座を受講する方法です。

 

最もポピュラーで確実な方法です。

 

仲間も出来ますし、分からないことはすぐに質問できるので、学習が捗ります。

 

時間や費用面の問題が無ければ、一番にオススメしたい方法です。

   

 通学講座のメリット

 

● 資格取得に向けたカリキュラムが組まれているので、自分で学習計画を立てる必要がない。

 

● 教材が受講料に含まれているので、自分で教材を買い揃える必要がない。

 

● 分からないところは講師に質問できる。

 

● 仲間ができる。

 

● 就職サポートを受けられる。

 

通学講座のデメリット 

 

● 独学や通学講座に比べて費用が高い。

 

● 教室に通う時間と労力がかかる。

 

医療事務の資格を取得できる通学講座を徹底比較!

 

② 通信講座を受講する 

 

 医療事務の資格取得をサポートする通信講座を受講する方法です。

 

通学講座を受講する方法の次に有力な方法です。

 

いつでもどこでも学習できるので、忙しい方には有力な方法でしょう。

 

「独学とどこが違うの?」と突っ込まれそうですが、多くのメリットがあります。

 

通信講座メリット

 

 ● カリキュラム通りに学習すれば、資格取得を目指せる。

 

● 教材費混みの受講料なので、自分で教材を買い揃える必要がない。

 

● 通学の必要がなく、いつでもどこでも自分のペースで学習できる。

 

● 分からない点はメールなどで質問できる。

 

● 就職サポートを受けることができる(サポートが無い講座もあり)。

 

● 通学講座に比べて受講料が安い。

 

通信講座のデメリット 

 

● 学習するしないは全て自分次第。最初はやる気満々でも途中で挫折するケースも・・・。

 

● 通学講座と違って仲間を作ることができない。

 

医療事務の資格を取得できる通信講座を徹底比較!

  

③ 独学する 

 

 市販の教材を買い揃えて独学する方法です。

 

最も費用を抑えることができますが、相当な自己管理能力がないと挫折してしまうかもしれません。

 

中には特定の講座を受講しないと試験を受けることすらできない資格試験もありますので、注意しましょう。

 

独学のメリット

 

 ● 通学講座や通信講座に比べて圧倒的に費用が安く済む(1万円~1万5,000円程度)。

 

● いつでもどこでも自分のペースで学習できる。

 

独学のデメリット

 

 ● 教材選びから学習スケジュール作成まで、全て自分で決めなければならない。

 

● 何をどの程度まで勉強すれば合格できるか分かりにくい。

 

● 学習仲間を見つけるのが難しい。

 

● 質問できる相手がいない。

 

● 特定の講座を受講しないと受験資格を得られない資格がある。

 

● 試験の出題傾向の分析や改正事項に関する最新情報の入手が困難。

 

まとめ

 

 いかがでしたでしょうか。

 

今回は、医療事務の資格試験の難易度と取得方法について詳しくお伝えしました。

 

診療報酬請求事務能力認定試験(医科)のように難易度の高い資格試験もありますが、相対的に50~60%の高い合格率の資格試験が多いことがお分かりいただけたでしょう。

 

ですが、どの資格も2~6ヵ月はきちんと勉強しなければ、取得することはできません。

 

「合格率が高いから。」とナメてかからず、きちんとした計画のもと学習を進めるようにしましょう。

独学で医療事務の資格取得は難しい?

医療事務の資格取得を目指す方の中には独学で学習されている方もいらっしゃいますよね?

 

現実的に独学で資格取得が可能なのかと言うと、答えは「WES!」。

 

独学でも医療事務の資格取得は可能です。

 

ただし、受験資格が設けられていない資格試験に限られます。

 

医療事務の資格試験の中には特定の講座を修了することが条件になっている場合もあります。

 

独学で医療事務の資格試験にチャレンジする場合は以下のステップで学習を進めましょう!

 

① 受験する資格試験を決める。※ もちろん、受験資格のない試験です。

 

② 学習するテキスト&問題集を購入する。

 

③ 学習計画を立てる。※ 試験日程から逆算して計画を立てましょう。

 

④ 市販の教材で基礎固め ⇒ 受験する資格試験の過去問&予想問題集を繰り返す

 

言うは易く行うは難しは・・・

 

独学では途中で挫折してしまう方もいらっしゃるでしょう。

 

そんな方は“独学並み”に受講料が安い通信講座を検討されてみてはいかがでしょう?

 

日本医療事務協会の通信講座なら、33,480円(税込)という低価格で受講できますよ!

 

カリキュラムの充実度はもちろんなんですが、サポート体制もとても充実してるんです。

 

質問は何度でもできますし、就職サポートだって付いてきます。

 

独学プラスαの費用で充実の内容なので、独学志向の方も一度受講を検討してみてはいかがでしょうか?

 

日本医療事務協会の医療事務 通信講座